空き缶自作アルコールストーブ(グルーブストーブ)の火力調整機構を実験してみたとか。いい感じ!
作るのが簡単で安定した性能が出しやすくゴトクもいらないグルーブストーブですが、多くのアルコールストーブと同様、火力調整をすることができません。そんなわけで、再々チャレンジするためちょっと実験してみました。
アルコールストーブでも火力調整したいよね
アルコールストーブに限りませんが、実際に調理をすることを考えると「まずは強い火力で素早くお湯を沸かし、その後、火力を下げて調理をする。」ということが多いと思います。
例えば、ご飯を炊く場合もそうですし、インスタントラーメンを調理する場合も同じようなパターンだと思います。
そんなわけで、もしかしたらミニマルには「最初は強く、途中から弱く」だけできれば、ほとんどの場合、間に合ってしまうのかもしれません。
有名どころ(副室加圧式)のアルコールストーブでは火力調整フタがついていて、アルコールの噴き出し具合(或いは酸素との触れ具合かな?)を調整することで火力調整するものが多いかと思います。
他には、チムニータイプでは空気の供給量を調整することで火力調整したりとか、カーボンフェルトを使っているものだと、カーボンフェルトの送り出し量(露出量)で調整したりするものがあります。
スリットの長さで火力設定をするグルーブストーブ
実は火力調整可能なグルーブストーブ、既にりるびわ~くす氏が製作されています。グルーブストーブはスリット長と鍋底系で火力が決まりますので、スリットを外からカバーして有効長を増減させる方法で実現していました。
グルーブストーブの適切な火力は計算で求めることができます。りるびわ~くす氏のブログでエクセルが公開されていますので、これを利用するのが簡単です。
Groove Stove Designer: 昨日から明日へと続く今日
グルーブストーブを使っていて気が付いたのですが、鍋を持ち上げてグルーブストーブから少し離してやると火力が上がります(燃料消費量も増えますが)。
もしかしたら、スリット長が長くなったのと同じ効果がある、或いはグルーブストーブから鍋が熱を奪わなくなってグルーブストーブ本体の温度が上がり、アルコール気化が促進されるのかもしれません。
ゴトクを挟んで鍋との距離を変化させる
過去に別の方式でグルーブストーブの火力調整をしようとしたのですが、失敗しました。グルーブストーブの安定性に脱帽しました(記事末にリンクがあります)。
今回はスペーサーで距離を調整する方法で試してみることにしました。あまり見た目のいいやり方ではありませんが、まずは実験ということでφ3mmのアルミ針金でゴトクのようなスペーサーを作り、火力アップしたい時は装着(鍋との距離が広がりスリットが長くなったのと同じ効果があると予想)、火力ダウンさせるときは外すという方法で火力調整できないか試してみました。
うちで作ったグルーブストーブ、それぞれの鍋用に火力強めに設定して製作しています。今回の実験では、ちょっと火力弱めの組み合わせにしないと火力調整の効果がわかりません。
そんなわけで、100均500マグカップ用に製作したグルーブストーブを小さな鍋(それでもマグカップよりはかなり底面が大きいです)に使用して実験しました。
今回はちょっとまじめに温度計(テスターにセンサーをつなぐと温度計になる便利グッズです)を接続して実験してみました。
実験条件は、室温約21度、水温約21度で300cc、アルコール燃料20ccです。
スペーサーなしグルーブストーブ湯沸し実験
スリット長が小さいと初期の炎も小さいので、ちょっと鍋に熱を奪われる感じになるためかジワジワ燃える感じがあります。それでもちゃんと燃え続けるところがグルーブストーブのすごいところですね。左下の写真は着火直後、右下の写真は着火5分後でかなり沸騰に近づいたところです。
さて、沸騰までの時間ですが、5分43秒でした。また、燃焼時間は8分5秒でした。
スペーサーありグルーブストーブ湯沸し実験
続いてスペーサーを挟んで実質のスリット長を長くした状態での試験です。こちらは着火直後から元気よく燃えています。
着火直後から安定しているとはいえ、後半、パワーが上がってくるのは同じようです。さて、沸騰までの時間ですが、4分32秒でした。また、燃焼時間は6分31秒でした。
実験結果
というわけで、過去2回、火力調整グルーブストーブ試作に失敗しているわけですが、今回はスペーサーを入れて3mm持ち上げることで火力アップすることが確認できました。えへへん。
最初はスペーサー付きで燃焼スタートさせ、沸騰したらペンチとかでスペーサーをはさんで外せば火力を落とすことができます。
沸騰までの時間が5分43秒から4分32秒になっていますので、21%の火力アップをしています。距離の変化を大きくすれば、もっと大きく火力が変わると思います。燃焼時間も同じように約20%変化していることから、「燃料消費が増えて火力アップした」と考えて大丈夫そうです。
できれば50%ぐらいの火力調整をしたいのでもう少し研究する必要はありますが、原理的には大丈夫ということがわかって安心しました。
このスペーサーは分解してコンパクトにできますので、このまま本採用にしてもいいかな?と思いつつ、レバーなどでカチャカチャできるようにしたらカッコイイかな!なんて妄想もしています。
とりあえず、100均500マグカップ用に現行よりも火力の弱いグルーブストーブを作ることにします。
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燃料用 アルコール 500ml 【HTRC3】 大洋製薬の燃料用アルコールです。ケンエー、大洋製薬共に煤が付くこともなく、どちらの方が火力が強いということはありませんでした。記事作成時情報で、amazonで送料無料のものがあります。 |
今日の一言二言三言
音もなく 静かに燃える 青い炎
眺めて過ごす 秋の夜長かな
アルコールストーブはガスストーブ(バーナー)と違い、音が静かなので雰囲気があります。瞬発力はありませんが、軽量でコンパクト、作るのも簡単、材料も空き缶でOKということで、結局、持ち運ぶクッカー毎に作って持っています。
グルーブストーブで火力調整にチャレンジ
かなり適当に作ってもしっかりと予定通りの性能が出てしまうグルーブストーブ、五徳兼用ボディで何かと扱いがいいのですが、なんとか火力調整できないものか試行錯誤しています。 |
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空き缶でアルコールストーブ(コンロ)自作のまとめ。
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